ヨネックスの「アストロクス00(ダブルゼロ)」は、平均68gという軽さと、素早く振り出せる操作性を特徴とするバドミントンラケットです。2020年の発売時点では、ヨネックスが日本国内で販売するバドミントンラケットの中で最軽量のモデルとして登場しました。
軽量ながら、シャフトのしなりを利用してシャトルを飛ばしやすく、レシーブやドライブにも素早く対応できます。一方で、重いラケットのように重量を乗せたスマッシュを打ちにくい点には注意が必要です。
この記事では、アストロクス00のスペックやメリット・デメリット、向いている人、ガットの選び方まで分かりやすく解説します。
アストロクス00(ダブルゼロ)の基本性能と特徴

アストロクス00は、ラケットを素早く動かしながらラリーを続けたいプレーヤーに向けて開発されたモデルです。まずは、重さや素材などの基本的なスペックを確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ASTROX 00(アストロクス ダブルゼロ) |
| 重さ | 2F・平均68g |
| グリップサイズ | 5・6 |
| フレーム素材 | 高弾性カーボン、タングステン |
| シャフト素材 | 高弾性カーボン、Namd |
| 推奨張力 | 18~23ポンド |
| カラー | ネイビーブルー |
| 原産国 | 日本 |
ラリーを続けやすくする軽量モデル
アストロクス00は、ラケットの取り回しを良くし、レシーブ時の振り遅れや準備の遅れを減らすことを目的に開発されました。
特に相手との打ち合いが速くなるダブルスでは、ラケットを構え直す速さが重要です。アストロクス00なら、スマッシュを受けた後やドライブを返した後も、次のショットに向けてラケットを動かしやすくなります。
メーカーが主な対象として想定していたのは中級者ですが、軽いラケットを求めている初心者や、重いラケットを振り続けることに負担を感じる人も選択肢に入れられます。
2F・平均68gによる高い操作性
アストロクス00の最大の特徴は、2F・平均68gという軽さです。一般的な4Uのラケットが平均83gであることを考えると、約15g軽い計算になります。
ただし、軽ければ必ずシャトルが遠くへ飛ぶわけではありません。ラケット自体の重さによる力は小さくなるため、シャフトのしなりやスイングスピードをうまく利用する必要があります。
ローテーショナルジェネレーターシステムを搭載
アストロクスシリーズには、「ローテーショナルジェネレーターシステム」と呼ばれる重量配分技術が採用されています。
フレーム上部、ジョイント部分、グリップエンドの3か所へ重量を配分することで、ショット後にラケットを戻しやすくし、次の動作へ移りやすくする仕組みです。
アストロクス00では、この重量配分と平均68gの軽量設計が組み合わされています。そのため、アストロクスらしい攻撃的な設計を残しながら、レシーブや連続ショットにも対応しやすくなっています。
大きくしなって戻るカーボン素材「Namd」
シャフトには、「Namd(エヌアムド)」と呼ばれるカーボン素材が使用されています。
スイング時にシャフトがしなり、インパクト付近で復元することで、シャトルを押し出す力を生み出します。軽いラケットで不足しやすい飛距離を補い、クリアやレシーブを奥まで返しやすくするための技術です。
ただし、しなりの感じ方はスイングの速さやフォームによって異なります。誰が使っても自動的に飛距離が伸びるというより、力まずに振り切りやすいことがアストロクス00の強みです。
アイソメトリック形状で芯を捉えやすい
フレームには、ヨネックス独自の「アイソメトリック」形状が採用されています。一般的な円形フレームよりも縦横のストリングの長さをそろえることで、上下左右に広いスウィートエリアを確保する設計です。
ラリー中に毎回フレーム中央で打つことが難しい初心者や、速いショットへ反応する機会が多いダブルスプレーヤーにとって、扱いやすさにつながる要素です。
アストロクス00を使うメリットとデメリット

アストロクス00は操作性に優れたラケットですが、すべてのプレーヤーに最適とは限りません。購入後に後悔しないよう、長所と注意点の両方を確認しておきましょう。
メリット1:レシーブの準備がしやすい
平均68gという軽さにより、相手のスマッシュに対してラケットを出しやすいのがメリットです。構えが少し遅れた場面でも、ラケット面をシャトルへ合わせやすくなります。
レシーブ後にラケットを戻す動作も行いやすいため、連続攻撃を受ける場面やドライブの打ち合いでも役立ちます。
メリット2:ドライブや前衛のプレーと相性が良い
ダブルスでは、短いスイングでシャトルを素早く返す場面が多くあります。アストロクス00はラケットを小さく動かしやすいため、ドライブ、プッシュ、ネット前でのタッチに向いています。
メリット3:力まずに振り切りやすい
重いラケットでは、クリアを飛ばそうとして腕に余計な力が入ることがあります。アストロクス00は振り始めが軽いため、力を入れすぎずにスイングしやすいラケットです。
腕力だけで打つのではなく、身体の回転やシャフトのしなりを利用する感覚を身につけたい人にも適しています。
デメリット1:スマッシュに重量を乗せにくい
ラケット自体が軽いため、重いラケットと比べると、重量を乗せたスマッシュは打ちにくくなります。
スイングスピードを上げれば速いスマッシュを狙えますが、相手を押し込むような重い打球を求める人には物足りなく感じられる可能性があります。後衛から強打を続けるプレースタイルより、速い展開やコースで崩すプレースタイルに向いています。
デメリット2:相手の強打に押されることがある
軽量ラケットは動かしやすい一方、インパクト時の安定感では重いラケットに及ばない場合があります。
相手の強いスマッシュを受けたときや、打点がずれたときには、ラケット面がぶれたり打球が短くなったりすることがあります。握り込むだけで対処するのではなく、身体の前でシャトルを捉えることが大切です。
デメリット3:軽すぎてタイミングが合わない場合がある
これまで3Uや4Uのラケットを使用してきた人は、アストロクス00へ持ち替えると、ラケットが先に走りすぎるように感じることがあります。
重いラケットの感覚で振ると打点がずれる可能性があるため、可能であれば購入前に素振りや試打を行いましょう。
アストロクス00がおすすめの人

アストロクス00が向いているかどうかは、競技歴だけでなく、プレースタイルや現在使っているラケットによって変わります。特におすすめしやすい人と、慎重に検討したい人を整理します。
レシーブやラケットワークを重視する人
相手の攻撃へ素早く反応したい人や、守備から攻撃への切り替えを速くしたい人に適しています。
スマッシュの威力だけで勝負するのではなく、レシーブ、ドライブ、プッシュを使ってラリーを組み立てる人は、軽量設計のメリットを感じやすいでしょう。
ダブルスや前衛を中心にプレーする人
ダブルスでは、相手との距離が近い状態で速いショットを打ち合います。アストロクス00は小さな動作でラケット面を作りやすいため、前衛でのプッシュやドライブの応酬に向いています。
ラケットを上げた状態を保ちやすいことも、前衛を担当する人にとって魅力です。
重いラケットを振り切りにくい人
4Uや3Uのラケットを使ったときに、振り遅れや腕の疲れを感じやすい人は、アストロクス00を試す価値があります。
女性やジュニアに限定されたモデルではありませんが、ラケットの軽さを優先したい人には扱いやすい選択肢です。
初心者には試打してから選ぶのがおすすめ
アストロクス00は軽くて振りやすいため、初心者でも扱えます。ただし、メーカーが発売時に想定していた主な対象は中級者です。
極端に軽いラケットでは、シャトルへラケットの重さを伝える感覚をつかみにくい人もいます。最初の一本として選ぶ場合は、一般的な5Uや4Uの初心者向けモデルとも振り比べてみましょう。
強打を中心に組み立てる人には合いにくい
後衛から重いスマッシュを何度も打ちたい人や、ラケットの重量を活かした打球感を好む人には、アストロクス00が軽すぎる可能性があります。
スマッシュ重視であれば、同じアストロクスシリーズの4Uや3Uモデルも比較してから選ぶとよいでしょう。
アストロクス00と他のラケットとの違い

アストロクス00の特徴を理解するには、ほかのシリーズや上位モデルとの違いを確認することが大切です。ここでは、操作性を重視するナノフレアシリーズと、アストロクスの上級者向けモデルを比較します。
ナノフレアシリーズとの違い
ナノフレアシリーズも、速い振り抜きや操作性を重視しているシリーズです。ただし、アストロクスとナノフレアでは、ラケットの重量バランスに対する考え方が異なります。
| シリーズ | 主な方向性 | 向いているプレー |
|---|---|---|
| アストロクス00 | 軽さとシャフトのしなりを活かしながら、攻撃力も確保する | レシーブ、ドライブ、前衛、速い連続攻撃 |
| ナノフレアシリーズ | ヘッドライト寄りの設計で振り抜きの速さを重視する | レシーブ、ドライブ、スピードラリー |
アストロクス00は非常に軽いものの、アストロクスらしい重量配分とシャフトのしなりを備えています。軽快さだけを優先するならナノフレア、軽さに加えてショットの押し出しも求めるならアストロクス00が候補になります。
アストロクス100ZZなどの上位モデルとの違い
アストロクス100ZZなどの上位モデルは、速いスイングでラケットをしっかり振り切れる上級者を想定した設計です。シャフトの硬さやフレームの安定性を利用して、強いスマッシュや高精度なショットを狙います。
一方、アストロクス00は平均68gと非常に軽く、ラケットワークのしやすさを重視しています。上位モデルほどの打球の重さは期待しにくいものの、レシーブや連続ショットへの対応では軽さが有利に働きます。
ラケット選びで確認したい4つのポイント
アストロクス00を購入するか迷っている場合は、次のポイントを確認しましょう。
- プレースタイル:強打を重視するのか、レシーブやドライブを重視するのか
- 主な種目:シングルスが中心か、ダブルスが中心か
- 現在のラケット重量:3Uや4Uから大幅に軽くなってもタイミングを合わせられるか
- 打球感の好み:軽快な打球感と、重量感のある打球感のどちらが好みか
可能であれば、ガットが張られた状態で試打してください。素振りでは軽く感じても、実際にシャトルを打つとインパクトの安定感が足りないと感じることがあります。
アストロクス00の販売状況と購入時の注意点

アストロクス00は2020年2月に発売されたモデルです。現在のヨネックス公式の現行製品一覧では掲載を確認しにくいため、新品を探す場合は店舗の流通在庫が中心となります。
中古品や旧在庫を購入するときは、価格だけでなくラケットの状態も確認しましょう。
フレームにひびや陥没がないか確認する
フレームの塗装が少し剥がれているだけなら使用できる場合がありますが、カーボンまで達するひびや陥没があるラケットは避けたほうが安心です。
特に、フレーム上部や左右の角、ラケット同士が接触しやすい部分を確認してください。
グロメットやシャフトの状態も確認する
ストリングを通すグロメットが割れていると、ガットが切れやすくなったり、フレームへ負担がかかったりします。必要に応じて、張り替え時に交換してもらいましょう。
シャフトに不自然な曲がりや異音がないことも確認が必要です。中古品を購入した後は、専門店で点検してからガットを張ると安心です。
グリップサイズは5と6から選ぶ
アストロクス00には、グリップサイズ5と6があります。数字が大きい6のほうが細いグリップです。
細いグリップは指を使ってラケットを動かしやすい一方、細すぎると強く握り込みやすくなります。元グリップやオーバーグリップで太さを調整できるため、迷った場合は販売店へ相談しましょう。
アストロクス00に合わせるガットの選び方

ラケットの打球感や飛距離は、ガットの種類とテンションによって大きく変わります。アストロクス00の軽さを活かすには、自分が重視する性能に合わせて選ぶことが大切です。
飛びと弾きを重視するなら細めの高反発ガット
クリアやドライブの飛びを良くしたい場合は、0.63~0.66mm程度の細めの高反発ガットが候補になります。
細いガットはシャトルを弾きやすく、軽快な打球感を得やすいのが特徴です。アストロクス00の素早いスイングと組み合わせることで、ドライブやレシーブをテンポ良く返しやすくなります。
一方で、細いガットは太いガットより切れやすい傾向があります。ガットを頻繁に切る人は、耐久性とのバランスを考えて選びましょう。
耐久性を重視するなら太めのガット
ガットが切れる頻度を抑えたい人や、練習量が多い人は、0.68~0.70mm程度のガットが選びやすいでしょう。
細いガットほどの鋭い弾きは感じにくくなりますが、打球感が安定しやすく、初心者にも扱いやすい組み合わせです。
テンションは18~23ポンドの範囲で選ぶ
アストロクス00の推奨張力は、18~23ポンドです。フレームを守るためにも、基本的には推奨範囲内で張りましょう。
初心者や飛距離を重視する人は、18~20ポンド程度から試すと調整しやすいでしょう。すでに高いテンションに慣れている人でも、古いラケットや中古品へ張る場合は、フレームの状態をストリンガーに確認してもらうことが大切です。
アストロクス00に関するよくある疑問

最後に、アストロクス00を検討している人が疑問を持ちやすいポイントをまとめます。
アストロクス00は初心者でも使えますか?
初心者でも使用できます。軽くて振りやすいため、重いラケットで振り遅れる人には扱いやすいでしょう。
ただし、極端に軽いラケットが全員に合うわけではありません。一般的な4Uや5Uの初心者向けラケットと振り比べ、インパクト時の安定感も確認してください。
アストロクス00でスマッシュは打てますか?
スマッシュも問題なく打てます。軽いためスイングスピードを上げやすく、速いスマッシュや角度のあるショットを狙えます。
ただし、ラケットの重量を乗せた重いスマッシュでは、3Uや4Uの攻撃型モデルのほうが有利です。威力だけでなく、連続攻撃のしやすさや次の動作まで含めて比較しましょう。
アストロクス00はヘッドヘビーですか?
アストロクスシリーズらしいヘッド側を活かす重量配分が採用されています。ただし、ラケット全体が平均68gと軽いため、一般的なヘッドヘビーラケットほど重くは感じにくいでしょう。
ガットやグリップテープの種類によっても実際のバランスは変わります。
シングルスでも使えますか?
シングルスでも使用できます。守備範囲を広く取り、ラリーを続けながらコースで相手を動かすプレーには適しています。
一方、後方から重いクリアやスマッシュを打ち続ける場合は、軽さが不利に働くことがあります。攻撃力を優先するなら、4U以上のアストロクスも比較しましょう。
まとめ:アストロクス00は軽さと操作性を重視する人向け

アストロクス00は、平均68gの軽量設計によって、レシーブやドライブ、前衛での素早いラケットワークを行いやすくしたモデルです。
アストロクス00の主なポイント
- 2F・平均68gの非常に軽いラケット
- レシーブやドライブで素早く反応しやすい
- Namdを使用したシャフトのしなりで飛距離を補いやすい
- ダブルスや前衛、ラリー重視のプレーヤーと相性が良い
- 重いスマッシュや強い打球感を求める人には軽すぎる場合がある
初心者でも使用できますが、誰にでも軽いラケットが合うとは限りません。現在使っているラケットとの重量差や、シャトルを打ったときの安定感を確認して選ぶことが大切です。
軽快な操作性を活かしてラリーを組み立てたい人や、ダブルスで素早く反応したい人にとって、アストロクス00は魅力的な選択肢です。旧モデルの在庫や中古品を購入するときは、フレームの状態と推奨張力を確認したうえで使用しましょう。


